日々のsugar sugar mountain☆
[PR]
2025/03/15(Sat) 01:46:26
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
窓のした
2009/10/20(Tue) 23:52:41
「おーい。健」 健の部屋の、窓の下から声をかける。わりとおっきめの声で呼んだんだけど、健は窓から顔を出さなかった。 「いねぇのか」 今度はほぼ独り言。 いつもひっついてくるくせに、大事なときにはいねぇんだよなあ、と、思ってから、今はそんなに大事なときじゃないことに気づいた。 コンビニで立ち読みしていた。そこで同級生にばったり会って、なんと子連れだった。 驚くようなことじゃあない。俺はいま30歳、もうすぐ31になる。 同窓会あるらしいよ、と教えられ、行くかどうか一瞬悩んで、そいつには言わなかったけど頭の中ではもう行かないことにした。とりあえずまたなと言って別れた。 そうしたら急に健に会いたいと思った。コンビニを出て、家と反対に向かって歩いた。 月が明るい。夜なのに夕方みたいだ。 ほとんど切れかけてチカチカしている街頭の下に、たくさんの蛾が集まっていて、俺はボンヤリそれを見上げていた。遅ればせながら健の窓が開いたりしないかなあと思いながら。 住宅街は静かで、どこかの家からカレーのにおいがする。 「なにしてんの」 声がした。カレーのにおいのする側で、俺の背中側だった。振り返ったら、健が首を傾げて立っていた。 手にコンビニの袋をぶらさげていた。なんだ、入れ違いか。 俺が 「もう用事済んだわ」 と言うと、なんだそれ!といって健は笑った。健の笑うのを見ていたらなんだかどうでも良くなって、今、本当に用が済んだなと思った。 ---------- デレ森田の予定だったけどなんかもうぜんぜん森田じゃなくてすいません。別人で。 勢いアップですいません PR |