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日々のsugar sugar mountain☆
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haru wo matou
2009/02/12(Thu) 22:03:09


斜め前を歩く坂本君の髪が揺れる。
「はるかぜだ」
前髪をかき上げて呟いた声がなんだかかすれている。
「うん」
僕は頷く。
「春だね」
「春だな」
遠くで子供の声がする。ボールとって、とか、お母さん、とか。それからブランコの揺れる音がする。
「あのさ」
僕は足を止めて、ゆっくり口を開いた。坂本君も立ち止まって、ん、と言った。けれどこっちを振り返らなかった。
坂本君はわざとするみたいにゆっくり背伸びをして、人の話を聞いてないみたいにあくびをする。
僕が話し始めようとするのをさえぎる。たぶん、僕がこれから何を言おうとしているかわかっているのだと思う。
坂本君の向こうに見える、滑り台のはしごの根元に、黄色い花が咲いている。
僕はもうその花に触ることが出来ない。当然、坂本君にも触れることはできない。
どんなに手を伸ばしても届かない。
「……俺ね、もうすぐいなくなっちゃうみたい」
生涯ではじめて、なるべくへらへらと笑ってるみたいに喋ることを心がけて、言った。どうやらそれが伝わったようで、坂本君も笑い声で「そんなの知ってるよ」と言った。
やっと振り返った坂本君は、いつもみたいに口の端っこをあげてあひるみたいな口で笑っていた。
ああいつもどおりだ、と僕は思って、へらへら笑う。細い細いと言われる目をもっともっと細くして笑う。
「さよならだね」
「さよならだな」
熱くなった目の端っこから今にも涙があふれてしまいそうで、僕は泣かないように目をぎゅうっと瞑った。
あなたはたぶん、僕が笑ってると思ってくれるよね。
そうだといいなと僕は思う。



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いのはらさかもとペア
おとといぐらいにカッとなって書いた。今は反省している。
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