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日々のsugar sugar mountain☆
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トゥモロー、トゥモロー
2009/03/04(Wed) 21:00:29
白い床に、コツコツ響く足音を聞きながら歩く。
健の姿が見えないなとおもったら、ふいに左手の手のひらをつかまれた。健だった。
「どうした?」
スキンシップは珍しいことではないけれど、表情が曇っているので気になって、たずねてみる。
「検査がいやとか子供みたいなこというんじゃねーだろーなー」
「違うよ」
健はちらとこっちを見遣って、ふてくされたみたいに言う。
左手はいつの間にか手首を力強くつかまれている。
「なんか、病気になったときのこと思い出してた」
健は言う。
「おれはもう元気だけど、たまに思い出すんだ」
5年も前の話だから、あんまり詳しく覚えてないけど。健は続ける。
「あの、周りが真っ暗になったみたいな、床がぐらぐらして、崩れていくみたいな感じ、たぶん忘れないとおもう」
「うん」
おれは頷くことしかできずに、黙って健に腕をつかまれていた。
その時おれもほとんど同じような感覚を味わっていたんだよと言うのは、傲慢だろうか。自分だったらどんなに良かっただろうと思ったなんて言ったら、そんなの嘘だと怒るだろうか。
「でも、おれはずっとちかくにいるから」
健は笑ってくれたが、おれはそんな当たり前のことしか言えない自分に落胆して、ごまかすみたいに健の腕をつかみ返して歩き出す。検査室はこの角を曲がった先にある。
早く終わらせようぜ、病院の近くのアイス屋さんでアイス食わせてやるから、と健に言うと、
「ま、付き合ってやるよ」
と、可愛い顔して全然可愛くないことを言うのだった。


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病気ネタとか多くてすみません・・
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